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米国の脳外科医に話を聞く
日本での受診後、A医師の病院でも脳外科の医師に話を聞ける機会を取り付けた。

「俺に何の用だ。聞くことなんかないだろう」
旦那曰く、そう応えたそうである。
いかにも不機嫌でふてぶてしく疲れた感じの応対。
ザ・脳外科医という感じ。ドラマや小説でデフォルメされたイメージそのものである。

やっぱりちょっと脳外科医って特殊なのかも。
(元々米国の医師は皆いかにも権威ー!という感じで、偉そうインテリふてぶてしさ満載、なんですけどね。笑)

脳外科で手術をすることについて尋ねた。
「やめておけ。失敗する。こないだも執刀したが失明した」

む。
眼科より確実なはずの脳外科でも除去手術は難しい、という返答を得てしまった。


この意見で、私は方針を変えた。
手術は見送る。日本の予約もキャンセル。
経過観察を続けることにした。


推奨される手術はスペースを作るものだが、骨を取るためだけの手術って、どうしたって気が進まない。


ところで、眼窩腫瘍は民族的に米国の方が多いのだそうだ。
A医師はpopular、と言うほど。
アジア人は眼窩が広いので、手術適応となる症例が少ないのだそう。
たしかに日本では、眼窩腫瘍で有名な病院ですら症例は少ないと思う。
医師の経験でいくと、米国で手術を受ける方が良いということになる。
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日本でセカンドオピニオン・脳外科
下の記事で脳外科に回してもらって、後日再訪。

脳外科の医師って、日本でも米国でも会ったけれど、ちょっと特殊。
なんというか、偉い研究者という感じ。
会社ならプログラマーとかエンジニアっぽい。
応対がサービス業のそれらしくないのだ。

脳外科医はMRIを見ながらんーんーとしばらく考えていたけれど、応対は要約すると、どうせここで手術受ける気ないんでしょ、という態だった。
ただ、ここでも時間は沢山費やして下さり有難かった。

早く手術をした方がよりリスクも低く済むのでは?と聞いても、うーんそれも本人の価値観によりますよねぇ、ギリギリまで手術を待って快適な時間を多く過ごすか、積極的に治療したいと本人が思うか…みたいな返答。
(今この返答を読み返すと、機能温存は2の次みたいに思えますねぇ…)
脳外科領域では簡単な方の手術だが(命に関わらないため)、積極的に手術を勧める感じではなかった。
が、どうも的を得ないというかやる気のないというか…な話を自分の頭の中で要約していくと、でもいずれは必ずしないとならないですねぇ、ということのようだ。

どうせ手術しなくてはならないなら、決めてしまおう。
そう思いこの場では、では次の一時帰国で手術します、と返答した。

まぁ大丈夫だと思いますよ…という返答。(ちなみに米国では絶対にこういう返答はしない)
というのも日本では眼窩腫瘍、しかも脳外科領域での手術は非常に症例が少ないらしく、この病院では去年も1人いたかどうか…というのである。
うーん…でも日本で受けるなら多分どこでも同じだろうし。選択肢ないし。うーん。
そして次回は入院前の打ち合わせになること、手術前に血管造影検査をやると言い渡された。
後から考えると、血管造影検査は必要だったかどうか疑問。


結局、この予約はキャンセルすることになる。
この後米国の脳外科医にも話を聞くことができたからだ。
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日本でセカンドオピニオン
というわけで、一時帰国の際に下記の大学病院で診てもらうことにした。
たしか今から1年ちょっと前のことです。


初対面、(わ…若い。私より年下なんじゃ?)
経験値が不安になる。(でも眼窩腫瘍医はこの病院で彼だけ)

最初の医師の質問は「妊娠していますか?」
血管腫はホルモンバランスの変化で急激に大きくなることがあるのだそう。

その後、MRIも見せながら話をする。
急ぐこともなく、ものすごく時間を取って下さった。
病気の説明から方針や質問対応、手術で具体的にどこをどうするなど、紙にも書いて下さったり。30分以上。

基本見解は米国と大体同じ。
特徴的だったのは「ここでは積極的治療しか考えません。スペースを作るという手術にはお応えできません」という返事。
日本は治療というか医療優先、米国は患者のQOLが優先(訴訟問題があるため)なんだなーと思った。

先生ならどうしますか?と聞いてみた。
医師はうーんと考え、僕なら手術すると思います、という返事。
うーん。大学病院だもんね。

やはり眼科領域での手術は推奨しないということで、脳外科の予約を入れてもらった。

この後実に様々な検査を受け、病院を出たのは受付から6時間後でした…
大学病院だもんね。
でも、手術を受ける場所を決めていない前提をお伝えしていたのに、懇切丁寧に応対して頂いて感謝しています。
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今後の方針を考える
話を戻して。

主治医(後の執刀医。以降A医師とする)の意見は『手術は勧めない』というものだった。
理由はこの大きさ・場所の腫瘍の除去は眼科領域ではリスクが高すぎること。
現時点ではこれ以上腫瘍が大きくなるかどうか分からないことと、今の右目の機能を考えるとそれが最適なこと。
腫瘍除去を考えるなら脳外科領域(開頭)で手術を行う方が望ましいが、それも開けてみないと判らない。
リスクと機能温存を考えると、除去ではなく眼窩周囲の骨を削る・壁を取り払って、腫瘍が大きくなれるスペースを作る手術が一番推奨されること。

眼科では3人の医師に意見を聞く機会がありましたが、一番手術を勧めなかったのは
最もスペシャリストであったA医師でした。



さて。
検査データ(視野検査)に明確に表れるのは3年後でしたが、実際の自分の右目の機能は本当にわずかずつ、だけどじわじわと順調に落ちていきました。
どのみちいずれ手を打たなければならないなら、米国では流儀や言葉、世話を頼める身内がいないことが不便なので、日本での入院手術も視野に入れることを考えようと思い始め。
すると丁度実家からほど近い大学病院に、眼窩腫瘍を専門とする医師がいた。
ダメ元で電話してみました。

普通は診察歴もないのに取り次いで貰うのは難しいはずですが
事情を話したら、医師と直接話をさせて頂くことができました。
反応は当然、電話では何とも言えないというもの。
でも、帰国時に開業院で紹介状を出して貰えば診察を受け付けます、と言って下さいました。

この病院と医師やスタッフさん達には、まだ手術場所を日本か米国か決めてもいなかったのに、終始親切丁寧に対応して下さり感謝しています。
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少しだけ保険の話も
米国医療で一番厄介とされる、健康保険の問題。
ただ、私達の場合は駐在員で、会社が健康保険と契約している
(ここは会社によって様々)ので、実は複雑なことがないのです。
あっ、もちろん医療費の請求自体は個人に来る&支払いますよ!

使っている感覚としては、強制加入の健康保険はなく、医療保険で全てが回っている感じ。

このシステム、要は『金のある奴ほど良い医療が受けられる仕組み』なわけで
貧困層や低所得者層には厳しい仕組み、ということになる。
(ただ米国は所得の低い者には優しい国、だそうなので
 私達の知らない便利な仕組みがあるのかもしれない。ここは情報がありません)

でも今にして思うと、個人的には日本のシステムより良いんじゃないのかな、と思うのだ。
だって日本の強制健康保険も掛金高いし。
皆が平等に、を優先すればそうなるのだろうけれど、その結果が医師の環境に
これだけの絶大な違いを生んでいるのだとすれば、結局患者の治癒に繋がらないと思う。

米国の医師は皆、あからさまに上級層で富裕層で権威でインテリ。
(そもそも1医師として独立するまでの過程・費用・時間が日本よりずっと大きい)
そして何か1つの処置をする、という際に、日本と違って設備やスタッフに不足がある
(例えば、手術の際に麻酔医がいない病院、とか)
という状態でGOサインは出ない。訴訟社会だからね。


脱線しましたが。
実感としてのデメリットは、医療機関によって対応している保険が違うので
加入保険に対応している施設から、行く医院を探さなければならない…ということ。

保険会社も保険の種類も多岐に渡る。複雑怪奇。
私達の場合は会社から提示された2プランから選択する、という形だったので
そこはほぼ悩みなく済んだ。
ただやっぱりラッキーだったのは、旦那は
『浅く広く(旅行保険的)』『深く狭く』の2プランから、後者を選んだそうで(笑)
こうなったので、結果的に良かったなぁと。

また、会社で加入しているので
高額治療を受けても、翌期の掛金の値上がりは米国駐在員全員で折半…という…
ということは治療受けた方が得じゃん!ということになる(汗)
米国で治療を受けた方が、医療レベルも痛みのケア等も日本より遥かに良いので
積極的に受ける人が多い(矯正歯科など)…とは、旦那の会社に限らずよく聞く話。

件の大学病院が私達の保険にも対応していたのはラッキーだったと思う。

というわけで、保険に関しては現地事情的なことは書けないのでした。
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米国の総合病院の構造
まだまだ、米国の医療システムの話です。

こちらで病院、というと
大学病院か、カウンティ(州内の群)や市の名前等が付いた総合病院のことになる。
前述した通り、緊急対応や具体的な処置を行うための施設。
米国では保険の問題もあり、長期入院という形は殆どない。
例えば私のケース、日本なら1週間弱の入院だけれど
こちらでは一泊二日だった。

で、総合病院なのですが。
日本と違って、病院に所属する医師というのはいないのだそうだ。
家庭医が日によって出勤して病院という施設で診る、という形らしい。
これにはびっくりした。レンタルルームみたい。

なので、厄介なのは会計。
つまり、医師ごとに保険や請求が別個で起こる、ということ。
日本のように病院に会計があってそこで清算が済む、
というわけではないので、例えばガンのように外科医・内科医・放射線医…など
掛かる医師が多岐に渡る場合、恐ろしく面倒くさい、ということになる。
ひょえー。

また、こちらでは Surgery Center というものをよく見かけるので
何だろう?と思っていたら、総合病院の医師のシステムが上記のようなので
言ってしまえばレンタル手術室(と備品等)なのだそうである。
えー!手術室って病院にしかないものじゃないのかー!
カルチャーショック(笑)

因みにこちらではひたすら見かける Plastic Surgery の文字は
美容整形手術のこと、なんだそうです。
そうだったのかー!知らなかった!
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引き続き、分からない米国の医療システム
もうひとつ起こった疑問。
私のようにホームドクター>紹介>紹介 が複数に渡って起こることは
こちらではよくある。
この場合、誰を主治医とすれば良いのか…という問題。

一般的な米国生活の指南書には、かかりつけ医を決めましょう云々…と書いてあるけれど
私はそもそもホームドクターには管轄外と言われてしまったわけで。
が、この眼科も神経医も定期健診に来い、とセールス(今思えばセールスだった)を寄越す。
私達は日本の感覚で、医者がセールスを掛けてくるとは思わないので、
行かなきゃいけないのかな…となる。

しかし私のケースでは、本当の専門医は大学病院の医師である。

ここで面倒なのは、本来この前の2つの医師とも患者として関係を維持していないと
紹介先の医師に診て貰えないことがあるらしい、ということ。
一度神経医を無視して大学病院のアポを取ったら、大学病院の医師に
「彼女(女医です)に聞かないと何とも言えない」的なリアクションを何度も取られたり
次の神経医の診察(?)が雑になったりということがあった。

旦那の会社の方には、体調が悪いのに全部の医師を回ることになった
(もちろんその都度別個に請求が来る)方もいるらしく
「めんどくせぇ〜〜〜!!」ということらしい。
※実際のところは分かりません。あくまで私と私の周りの実体験です。

私の場合、結果的に幸いだったのは、ホームドクターと神経医に繋がりがなかったこと。
(適当に検索して紹介されたため)
なので家庭医のセールスは無視した。で今に至る(笑)

大学病院の医師にも来いとは言われないので、そういう経緯で
3年弱の経過観察は神経医が行った、ことになった。
が、前述の通り視野検査しか行ってくれなかったので
適切に診てもらえていたのかなと考えると、今となっては甚だ疑問。
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庶民から見た、日本と米国の医療システムの違い
さて、このような経緯から3年弱、経過観察期に入ったわけですが…

以下の記述には、後から分かったことも含めて書いていますが。
米国の医療システムの実態、は私には分からないのですが
あくまで当事者として実際に受けてみた印象としては
日本と米国は本当に全然違うのだ。

まず直面したのは、定期健診を誰にやってもらうべきなのか、ということ。
こちらの総合病院や大学病院は、あくまで緊急時対応や具体的な処置(手術など)
を行うための機関であり、定期健診を行う場ではない。
日本はこの点は同一機関で実施される方が一般的だと思うので、まずここが違う。
更に言うと、日本ではその指示は医者が判断して提案してくれるが
こちらでは聞いたり提示しなければ、誰も何も言ってくれない。

なので、大学病院の医師からは、経過観察期はいつ行っても
次いつ来なさい、とは指示されなかった。
ここで私達は混乱する。

通常はホームドクター(個人開業医)が経過観察をするのだと思うけれど
それをしようにも、近所の眼科には管轄外だと言われたわけで。
じゃあどこで経過観察をすればいいのか?

次の予約はどうする、と聞いてきたのは神経医の受付だったので
言われるがままに次の予約をし…という具合で
結局、定期的に経過を見てもらったのは、ここになった。

ただ、今考えるとビジネスとして予約を取っていたのかもしれない、と思わないでもない。
積年の経験で実感したけど、こちらのホームドクターはサービス業でビジネスだ。
診察のきめ細かさもサービスもセールスも値段も、変動相場の接客業。

例えば値段について言うと、日本と違って全国統一の一律価格ではない。
医院によっても、医師の実力や権威によっても値段が違う。
だから、日本の点数計算法も知識がないと分からないけれど
こっちのはもっと…請求明細を見ても、さっぱり根拠が分からない(笑)
保険を使わず実費で払う際、値切るとあっさり半額くらいになるのだそうな。
こんなこと、事前に知識がなければ把握する由もない。

(もっとも米国に来て思ったのは、この『値切り』
 割とどの業界でもアリだ、ということ。
 交渉してディスカウントが効く、というのは基本みたい。
 日本人だけが素直に提示された値段で買っているのかもしれない。
 私自身は面倒&英語力がない&そもそも大したものを買わないので
 試したことはないけれど)

…脱線したけれど、この神経医にそう思ったのには理由がある。
予約を取らせながら、毎回診察もなしに視野検査しかしてくれなかったのだ。
今にして思うとこれは私達にも非があるのだけれど
(こちらの医師は基本、こちらが聞いたり要求しないと何も情報をくれない)
かといって診察室にさえ通されなかったので、質問の余地すらなかった。

この状況が3年弱。
同じ経験がある方に出会えず、どうしていいか分からなかったので
以降、医師の所に通う度に不満が沸き上がり
毎回夫婦喧嘩が勃発することになった(笑)
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更に大学病院紹介、確定診断へ
さて、この新たな主治医(?。後述します)、
眼科医ではなくNeurologist、つまり神経学の医師。
なので、更に新たな専門医を紹介してくれることになりました。
エボラで有名になった、米国でも5指に入るというあの病院です。

ここまでの時間的流れを振り返ると、実に迅速で幸運だったなぁと思う。
日本では最初の個人医ですぐに発見、という具合には至らなかったんじゃないだろうか。
今になって考えても、あの時あの時点だけで考えても、
日本と米国の医療技術や医者の立場には、圧倒的なレベルの差を感じる。
ただそこは良いとして、その分すごーくめんどくさい問題もあるのだけど…この話も後々で。



さて、有名大学病院・専門医のアポが取れたのはいつだったか…失念してしまいました。
ただ、直接上の神経医が連絡してくれたので、早い段階で予約が取れたように記憶している。

MRIを見た医師の見解は「おそらく海綿状血管腫だろう」ということだった。
そして、根治手術にはリスクが高いので、今の目の状態を考えると経過観察がよいと。
なぜならこのまま腫瘍が成長しない可能性もあるから。
現時点では今しか見ていないので、成長速度が分からないと。
ただ、長い年月をかけてここまで大きくなったはずだ、とのこと。

この判断は後々何人かの医師に診てもらって分かったけれど、意見が割れた。
ただ、この時点では私もこの医師(後の執刀医)と同意見だった。


後々になって手術を受けて、本当にこの医師にお願いできてラッキーだったなー!
と思うに至るわけなのだけど
今まで会った米国医師で一番印象が良く、安心感と貫禄のある
雰囲気の良い医師だったのです。
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MRI画像
ひとつ前の記事で書いたMRI画像。
画像では左ですが、実際に腫瘍があるのは右目です。

日付は2013/03/28。
この丁度3年後に手術を受けることになります。











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こんにちは。ここから整体院・おおのしほこです。
1975年11月29日生まれ、いて座A型
音楽・着メロ制作→整体師→駐在員妻にてジョージア州在住。

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